遠見書房のメルマガ

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2009年4月10日金曜日

読む力だけではなく

 
 昨日の話。

 渦中(?)の心理職ユニオンについていろいろと調べていたら、とあるブログにたどりついた。別に、そこにユニオンについて書かれていたわけではないのだが、何かのキーワード検索にひっかかって、流れ流れてついたのだ。
 ちらっと読む。
 なかなか面白い。
 というか、けっこう面白い。
 いや、なんとも面白い。
 
 臨床心理の人のブログなのだが、目配りがきいていてかなりのものである。そもそも文章も、これということを書いているわけではないのだが、読ませる。感心するくらい文章のうまい人は100人に1人くらいいるが、1,000人に1人くらい痺れるほどうまい人がいる。痺れるくらいうまい書き手の本は売れる。文章がうまい人というのは、人をよく知っている。人の心をよく知っている。風景について美しい文章を読んでいるのではなく、風景を美しいと思う人間の心を私たちは読んでいるのだ。人の心のアヤを描くのがうまいのだから、臨床心理の本としてもよくできていることが多い。

編集者としての勘がビビッときたわけですね。これは逸材だと。

ブログには、プロフィール欄があります。
だもので、当然、それを読みます。
しかし、プロフィールを読んでも、まったくどういう人だかわからない。性別のみがわかったような雲を掴むようなプロフィール欄であった。しかし、隅から隅までブログを読めば、どういうところで働いているかわかるはわかる。とはいえ、具体的な情報はない。住んでおられる地域は何となくわかる。書いてある内容を読めば、ハハアン、この方の系列にあるのだな、ともわかる。わかった。年齢はいかほどか。五〇代? いや、もう少し若いのか。四〇代か?

誰だろう。
どうしてこんな逸材なのに私は知らなかったのだろう。

どうしよう。
メールアドレスはあるぞ。
メールは届くのだろうか?

出すべきか。
出さざるべきか。

出すとして、どんな本を書いてもらうつもりだろう、私は。
わからない。
わからないけれど、きっとブログをやっているくらいだから、書きたいことがあるんじゃないだろうか。
書きたいことがないとしても、何とか、いろいろとメールのやりとりをしたらいい。面白い展開があるかもしれない。

……でも、この人がオッペケペーだったら? 本当は十五歳の少年とかだったら? ブログだけで何がわかる?

いや、俊介(←って、自分に言い聞かせているわけですが)、お前、自分を信じろと。十分長い間、お前はいろいろと読んできたじゃないか。読む力が備わっているはずだ。そうだ。インスピレーションを信じろ。
などと一人芝居をしつつ。逡巡。



で、まあ、この方に連絡を取ったわけです。
すると、返事きましたよ!



どもども山内さん。○○です。
ご無沙汰してます。
あのブログやってんの、ワタシなんですわ。
ええ、遊びで。
はあ、すんません。
(注:文章は大幅に変更しました)



業界ではそこそこ有名なお方でありました。
なんだよ(w



世界って狭いですね。。。

==

ユニオンの問題は、部外者の私が何を言うこともないですが、まあ、部外者から見ると、もうちょっと賃金について意見がいろいろと出ていてもいいかな、と思いますね。聖職じゃないですし。あまり聖職感を出すと、ボランティアでいいだろうというような話にもなりかねません。まあ、部外者には聞こえてこないだけかもしれませんが。

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なんて本もありますしね。
オススメは下のほうですかね。


単純にビジネスモデルとして、今の臨床心理士で成功している人のモデルというのは、どういうのなんでしょう。臨床心理の一番の成功モデルが「大学の教員」というのは、あまりにも寂しいかなという肝。

何事につけてもマーケットが存在しないと商売になりません。マーケティングとか、ビジネスコンサルテーションとか、そういう視点から臨床心理行為を考えてもいいのかな、と思います。河合先生は凄腕の宣伝マンでもあったわけで、あれほどの方はもう現れないかと思いますが、地道な営業マンみたいな、マーケットを切り開いてくれる人がいてもいいかなと。少なくともマーケット戦略みたいなものがあってもいいのかなと。

こないだいわゆるEAP関係の経営されている方と話していたんですが、けっこうそれなりに商売になっているようです。EAP全般はいろいろと大変みたいですけれど。別にその方は、臨床心理にそれなりに興味を抱いてはいるようですが、ふつうのビジネス出身の方で、基本的に商売としてやっていている。でも、その方はビジネスマンとしていろいろと心理の世界を開拓されていました。
こういう方の力を借りてもいいかと思うんですけれどね。

自殺者3万人ですよ。やっぱ、異常な事態ですよね。経済の問題もあるとはいえ、心の問題でもあるんじゃないかなと思うんですよね。メンタルケア業界には(まあ、業界として捉えるのもなんですが)、市場がまだあるかなとは思うんですけれど。とはいえ、数年は未曾有の不況で厳しい状態が続くかとは思いますけれど。

でも、ビジネスとして捉えるのは顰蹙ですかねえ。
 

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