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2009年4月3日金曜日

『認知行動療法・技法別ガイド』そろそろ発刊です!

 
今日は新刊2点のうち、中野敬子さんの『認知行動療法・技法別ガイド』を紹介したいと思います。



実は昨日、HPを更新しました。というのも、ようやく、カバーが完成したからでありまして……いつもながらの綱渡りな私。あちこちに迷惑をおかけしまくっております。

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さて、本書の紹介ですが、グダグダと述べる前に目次を見ていただいたほうが一目瞭然でしょう。
目次は下記の通りとなっております。

第1部 認知行動療法の技法

第1章 認知行動療法
第2章 問題解決療法
第3章 認知の再構成・認知療法
第4章 リラクセーションと不安管理訓練
第5章 行動の修正
第6章 自己主張トレーニング(アサーティヴネス・トレーニング)

第2部 問題別認知行動療法の実践

第7章 抑うつを主訴とするケース
第8章 不安を主訴とするケース
第9章 境界性パーソナリティ障害が疑われるケース

ごらんの通り、第1部では、幅の広いCBTの技法を解説しています。第2部はCBTによる援助を行ったケースの検討。抑うつ、不安、BPDと臨床家がよく対面するメインユーザー(?)がその対象となっており、実際の具体的な介入が学べます。

もう少し詳しい説明や上記よりも細かい目次、著者の中野さんに関する紹介などは、小社のHPに掲載しておりますので、どうぞ、じっくりとごらんいただければと思います。

CBTというと、どうも「=認知療法」というようなイメージになっているのではないかと思いますが、実際のCBTというのは貪欲ですね。さまざまな心理療法テクニックを駆使して治療を進めていくという感じです。さまざまなオリエンテーションの中から効果のある手技を持ってきているところがありますので、「そら、効くわ」というところでしょう。
あまりにも貪欲ですから、そのうち、CBTによる箱庭療法だとか、CBT自由連想だとか出てくるような気もしないでもないでもないかもしれませんが、まあ、一つの「集束」だと思います。差異を強調し拡散してきた心理療法がCBTというところにテクニカルな面で集まってきている。

本書はまさにそんなCBTを象徴する本といえます。CBTの類書は数多く出ています。が、ある一つの手技を強調する本であることが多く、技法的には「認知療法的CBT」だとか「リラクセーション的CBT」といった趣です。が、本書の特徴は、1冊でCBTの技法を網羅しようという点でしょう。これは長きにわたりCBTを学び、実践してきた中野さんにしか(日本だと他に何人いるか……)できない本だと思います。

本書は、CBTの入門書です。「CBTをやってみたいのだが」という方に最適のものです。多くの臨床家の皆様は折衷的な心理療法を行っているのではないかと思いますが、そういう方が最適な読者かと思います。ユーザーのニーズも高まっていますので。
また、精神科医の方などで「ちょっとCBTとやらを押さえておきたい」という方にとっても全貌が網羅できるので有効かと思います。とはいえ、セラピストの原則である「傾聴」だとか「共感」だとかが実践できないと、いくらCBTが有効な技法とはいえ、効果は発揮しませんのでご注意ください。
心理療法の初学者が読んでおくものとしてもいいですが、一番最初のCBTの本としては不向きかもしれません。臨床現場に赴くようになる時期からの本という感じです。

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もし、本書を読んでみたい、ブログやHPなどで紹介したいという方がおられましたら、ぜひ、ご一報ください。小社HPに詳しい説明がありますが、無料謹呈をしておりますので、ぜひご応募いただければと思います。

 

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