昨日、家でまったりとしていると、来客あり。出てみると、リフォーム屋さんの訪問営業であった。営業マン(?)というか、60がらみの方、職人風。
チラシを片手に、私を一瞥すると、
「おうちの人、いない?」
とのたまわれる。
わたしが、お探しのおうちの人なんですが……というのも面倒なので、
「はあ」とか適当に言っていると、
「あのさ、じゃ、これ、渡しといて」とチラシをもらう。
===
家人に「おうちの人いないって言われたよ」とチラシを渡す。
「
ニート風だもんね、今の格好」
確かに、妙なジャージとか着ていて、ファッションチェッカーの
ドン小西が怒髪天を衝くような
もっさい格好であった。
まあ、正直、営業対応というのも面倒なので、パラサイトシングルに間違われて、よかったよかったという話なのだが、それにしても、私は一家の主に見えなかったのだろうか……と思うと、ちょっと悲しい。中古住宅だし、35年ローンだが、一応持ち家なのになあ。一応、一家の主どころか、一社を構えているのになあ。
そもそも、私は老け顔である。まあ、20、30歳上に見られたことはないが、10上くらいにはよく間違われる。まあ、顔だけでなく、年齢判断には服装なんかもあるのでジャージだと老けて見えないのかもしれないが、なんというか、想像力に欠ける営業マンである。契約が取れているのか心配になってしまう。
とはいえ、人の年齢はなかなかわからない。
===
窪田由紀さんの
『臨床実践としてのコミュニティ・アプローチ』が金剛出版から出ていた。いい本である。校正刷を読んだので、よく知っている。ドーンと、アマゾンのリンクを張りたいところなのだが、まだ、アマゾンでは登録されていないようである。残念。
「コミュニティ・アプローチ」は、20世紀的な、そして21世紀的な、臨床実践であると思う。
日本では村社会が崩壊して(という話をいまさら言うのも恥ずかしいが)、会社社会が崩壊して、そして地域コミュニティがいま模索されている。
NHKのテレビ番組の、
なんていうのを見て、つくづく、コミュニティの時代だ、などと思う。
個人心理療法が中心になっている臨床心理学、あるいは、精神医学だってインデビュデュアルだが、そういう臨床とは、まったく別軸のコミュニティ心理学は、誤解も多そうだが、基本的には「正しい」拡散の方向性だと思う。
ちょっと前までは、↓読んどけ、で話が終わったものですが、
山本先生の本は本当に名著である。
岩波文庫にオレンジ表紙とかの「心理」なんていうカテゴリーができたら、ぜひ入れていただきたい1冊。
とはいえ、他にもいろいろと出てきたので、いまはとりあえず押さえるなら、↓だろうか。
「まとめ」ですから、これ以上強力なものはありません。
こんな本もあるんですね。村山正治先生の
へえ。今度、探してみよう。
窪田由紀先生は、
の筆頭編者。上掲書の多くのパーセンテージを書いております。
この本は本当にあちこちでよく使用されている。
学校における緊急支援も、コミュニティ実践の一つ。幅広いですよね、コミュニティ実践は。
コミュニティ支援のエッセンスは、きっと多くの臨床に役立つんじゃないかと思う。
窪田先生とは学会のときなどに何度かお会いしているのですが、最初お会いしたとき、私は40そこそこ、くらいの認識をしておりました。黒木瞳というか、川島なお美というか、あの系統の正統的な整った顔立ちで。才媛とはこのことかと思ったものでございます。
後日、ある九大教授と話していたとき、「窪田さんね、確か、僕と同い年よ」と。
いや、正直、人の年齢当てには自信があったのですが、いや、15以上も間違えていたとは……。
「うちの人、いない?」なんて聞いてきた営業マンのことを笑えません。
なんていう本もありますので、怒られてしまうかもしれませんが。サブストーリーとして。