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2009年3月31日火曜日

ゲゲゲのゲ

 
先日。調布の駅前をぷらぷらしていたら、水木しげる大先生らしきカクシャクとした爺さんが歩いていた。さっと通り過ぎてしまったのでよくわからなかったが、似ている感じであった。水木先生は隻腕なのでそれがわかれば……と思ったものの、それはよくわからなかった。水木先生は調布の在住の人であり、鬼太郎ロードみたいなものも、調布駅前にはあったりする。夏になると調布にある深大寺に「鬼太郎の家」ができたりする。

水木先生といえば、最近気になっているのが、競艇の総理大臣杯のポスターである。



なぜに、水木先生を起用されたのか。競艇協会は何を考えているのかよくわからないが、まあ、妙な取り合わせだ。新聞の広告で見つけてギョッとしてしまった。多摩川競艇が府中にあるから、多摩在住の有名人に頼んだんだろうか? でも、このポスター変ですよね。


まあ、漫画家という人には奇人さん、変人さんが多いが、水木先生はまさに奇人変人を地で行く人であろう。水木先生は自叙伝を多く書かれており、それを読む限りにおいては、相当にハイパーアクティヴィティな少年であったと想像できる。いまでは発達障害の烙印を押されること間違いナシであろう。じゃ、いまの時代に水木しげる先生が生を受け、ついで発達障害の診断も受けたら、その子が水木しげるになるか、と言ったら、これはまたよくわからない。

ある意味で教育は普遍的な能力の獲得に重きを置くので、才能を殺すことにつながりやすい。妖怪に対するヴィジョンを評価できる大人がいるだろうか? 将来、そんなことでメシが食えるようになるなんて考えられないものである。といって、教育は不要ではない。ちゃんとした教育が受けられれば、こんな事件は起こさなかったであろうにと思う発達障害の加害者は数多くいる。
総合的に見れば教育の存在は正しい。しかし、水木しげるは生まれないかもしれないし、いやいやちゃんと生まれるかもしれない。
統計データだけでは語れず、といって一事例だけで語ることもできない。その二つをはさんだまま、私たちは何かを語る必要がある。

もし発達障害の子どもたちが水木しげる先生の自叙伝を読んだら救われるところがあるんじゃないかな、と思う。

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これは教育そのものではないが、語ることの力がある限り、私たちは救われるだろう。
当事者のためのブックガイドみたいなものがあっても面白そうだ。
 

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