ここのところ、実はあまり本を読んでいない。編集者たるもの、週に3日は本屋に寄り、月20冊は読み、立ち読みで月200冊はチェックせえ、と常々飲み屋などでクダを巻きつつ発言してきましたが、ほんとはその半分くらいがいいところです。特に1月なんかは本当に2冊とか3冊とか、お前、何やってんだ、オラ、というような数字でありました。
申し訳ない。
ここのところ、ようやく落ち着きを取り戻したのですが、自転車通勤などをエコ(ノミー)のためにしている関係もあり、読書量は若干持ち直しただけ。低空飛行(昭和の表現)。
アーヴィングの最新作もようやく購入したのにも関わらず、まだ上の半分くらいしか読んでいない状況のうえ、どこかに紛失(涙
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とまあ、散々な読書ライフなわけですが、昨日今日とちっとタマッコ(魂)が抜かれるような、すんげえ、本を読んでいます。
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白石朗さんの翻訳は、キングにしろ、デミルにしろ、グリシャムにしろ、とても面白く、翻訳者としても選書家としても破格な存在ですが、この本も「白石ブランド」ということで買ったもの。帯が「このミス 第4位」というなんとも中途半端な煽りもウケましたが、ともあれ、白石さんは、柴田元幸さん並に外れなし、という感じもしております。
で、これ、傑作でした。
ほんと、傑作。
間違いない。
というか、まあ、かなり感動しています。つうか震えるような感動。ホラーの短編集なんですが、所収された「ポップ・アート」なんて、まあ、なんですか、これ。サリンジャー?みたいな。村上春樹?みたいな。
でも一番似ている(?)のはカフカですかね。フランツ・カフカ。
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カフカの短編がSFの文脈で語られることもないわけではないのですが、そんなカフカのホラー版という感じ。まあ、この作者自身、カフカ好きみたいなんですけれどね。「変身」をリスペクトしちょる1編もありますし。というと、モノマネ臭いかと思うでしょ。でも、これが、違う。
まあ、ホラーなんで好き嫌いあるかと思うのですが、本書は間違いなく大文字の「文学」だと思います。カフカ並というと、歴史の評価を待たないといけないですが、最上級の一冊であることは異論なし、ですよ。
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