自分ところの本の紹介をしなくちゃいけません。
忘れていたわけではないのですが、後回しになってしまいました。
ロテ職人さんがご書評をしてくださった通り、
「大学などで学生相談に携わる人は必須、それ以外は興味のある方どぞーって感じですかね」
というのはとても正しい評価かと思います。
ただ、何人かのカウンセラー(心理)に聞くと、妙にその人たちは「カルト脱会」に携わっていたりするんですね。ある方は、SC的な仕事をして数年で、カルトにかかわることを2ケースやられたとか。
地域性もあるかもしれません。職業性もあるでしょう。総合病院の精神科に来て、「脱カルト」を願うクライエントはほとんどいないでしょうし。
どなただったか忘れてしまったのですが、初診のときに「信心を聞く」という方がおられました。その方から直接伺ったわけではなく、論文で読んだのですが。
たいていの人にとっては「信心ですか……」と答えて、まあ、「はあ、一応、仏教徒ですかね……」というような程度じゃないかと思います。でも、カルトに入っている方やあるいは熱心な信者さんですと、そこについて詳しく話してくれるかもしれませんし、そこに家族や環境の問題の端緒があるかもしれません(というような論文の内容でありました)。
確かに考えてみれば、宗教は生活の一部になっている人と、まったくそうではない人の差はとても大きいですね。
私の知っている「妙にカルトなひとの相談に合うひと」も、もしかしたら、信心を聞いておられるのかもしれません。そうしたアセスメントによって、相談の展開が変わる可能性は十分ありますね。ナラティヴということを考えると、なかなか興味深い話題です。
ともあれ、まったくカルトになじみのない方、知識もない方で、対人援助をされているという方は、ぜひ、本書を読んでいただければと思います。
現実にカルト問題で困っておられる方も、当然、読んでくださいますと、かなり具体的な話題が多い本になっていますから、役立つことも多いでしょう。
詳しい内容については、当社HP中のカタログをごらんくださいませ。
さて、本書の営業活動(というほどではないですが)で何軒かの書店さんを巡りました。いろいろとお会いくださった書店の担当者の皆様、ありがとございました。
類書として紹介したいものは、下記のものです。
カルトとスピリチュアリティ―現代日本における「救い」と「癒し」のゆくえ (叢書・現代社会のフロンティア) 櫻井 義秀 ミネルヴァ書房 2009-01 売り上げランキング : 174990 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは「専門書」ですね。本書にもお書きくださっている櫻井先生の本です。
社会心理学的なアプローチになりますでしょうか。
「カルト」を問い直す―信教の自由というリスク (中公新書ラクレ) 櫻井 義秀 中央公論新社 2006-01 売り上げランキング : 214158 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これも櫻井先生の本です。
手に取りやすい本ですね。カルト問題の基本がわかるのではないかと思います。
マインド・コントロールとは何か 西田 公昭 紀伊國屋書店 1995-08 売り上げランキング : 52508 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これも、本書にもお書きくださっている西田先生の本です。
カルト問題のなかでの大きい要素になっているマインドコントロールの本です。マインドコントロールというと、あやしげな本も多いのですが(w、これは大丈夫です。
カルト-心理臨床の視点から 現代のエスプリ no. 490 (現代のエスプリ no. 490) 高木 総平 至文堂 2008-04-12 売り上げランキング : 257350 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは、現代のエスプリの特集号です。
本書に書かれた著者たちが何人か書かれています。
Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト (110番シリーズ) 山口 広 民事法研究会 2004-02 売り上げランキング : 36887 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本書には書かれていませんが、この本の共著者である滝本先生は、日本脱カルト協会の事務局長でもあり、オウム事件でとても有名な弁護士です。山口先生、紀藤先生、滝本先生といえば、宗教トラブル、消費者問題の駆け込み寺として有名です。本書でも、同僚にあたる山口貴士先生が書いておられます。
日本の10大新宗教 (幻冬舎新書) 島田 裕巳 幻冬舎 2007-11 売り上げランキング : 11700 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カルト、というわけではありませんが、新興宗教について知りたい方は、ぜひ上記の本を読んでください。とても勉強になりました。
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