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2009年11月4日水曜日

全集刊行について思う

 
過日,某紙にて,下記のようなニュースを読む。

小田実全集、初の電子出版で=来春から刊行-講談社


10月30日2時32分配信 時事通信
 講談社は、2007年に死去した作家小田実さんの全集を電子出版で来年4月から刊行する。同社によると、電子出版による作家の個人全集は初の試みという。…(略)…約4年かけて、巻数は85~90巻程度になる見込み。


電子媒体であるのは面白いな~と思う反面,電子媒体であるのはしかたがないのかな~とも思う。

いくらになるんだ?という気がするところもあり,紙媒体ならば,1巻3,000円というところか。90巻っていうと,金にせよ,場所にせよ,確かに大変ね,とも思う。

電子媒体ならば,1巻あたり,どうせなら,1,000円くらいにしてもらって,まとめるならば45,000円とかいうのはどうか,とも思う。

というか,電子媒体ならば,巻数なんか要らないじゃん,とも思う。全部1巻にしたらどうなんですかね。25031頁め,なんていいじゃないですか。pp.25010-25015なんて,引用のとき,誤植か,とか,思いますし。

編集者としては,いろいろと作業を行った挙句,紙だったら,90巻なんて並ぶと,感無量があるわけですが,CD-ROMだと,ちょっとね,寂しい肝。

などと思う。

しかし,一番の心配は,図書館とか,どうするんだろ…。全集商売は,やはり,図書館さんが一番の売り込み先であります。
日本に図書館は,公立と大学図書館をあわせると4,200カ所あるらしいのですが,小田実さんでしたら,さすがに90巻はあれにしろ,20巻程度だったら,5割納入もいけそうな気も。まもなく図書館に入り浸ることになるであろう団塊の方々のための書き手,という感じがするし。

けれど,CDやDVDだと,どうなるんですかね? 貸すことはすでに音楽CDなどでもやっていますし可能でしょうけれど,コピー機能なんて,どうするんでしょうか。ドラックアンドドロップで数万円が数分でコピー完了というのも,ねえ,どうするんでしょうか。

こういうの,広がるのですかね。
面白いですよね。儲かるのか,よくわかりませんが。コンテンツをいろいろと持っている会社は,生き残れるんでしょうねえ。

電子媒体だったら,別に,「文字」や「画像」にこだわることもないわけで,文字+音楽,なんてね,面白いかもしれません。北山修先生などの電子版全集なんて,全歌つきだったら,面白いかもしれません。
描画とかも,カラーでもいけますし。

とはいえ,何(ハード)で読むべきなのか。やはり,これが問題でありますね。iPodで読むようにレイアウトするのと,PCで読むようにレイアウトとするのと,やはり違うでしょうし。「縦書き」か,という問題もあるでしょうし。90巻も出すとなると,5,6年はかかるでしょうし,そうなると,ハードの質が変わってきそうですね。。それも困りそう。

ま,いろいろとやってみるしかないのでしょう。完成はまだ先だ。

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