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2012年1月13日金曜日

父親の話



父親というのは,わけのわからない存在である。というか,私にとってだけかもしれないが。いや,わりに,多くのひとにとってそうかもしれない。臨床家のひとといろいろと話す機会が多いが,臨床家のひと(男子)で,自分の父親についてペラペラと話してくれるひとはあまりいない。言いにくそうな顔をするひとさえもいる。そういうひとが臨床家になるのかもしれない。
私はさほど言いにくい父親ではないものの,なんだかわけのわからないひとだな,という印象をずっと持っている。
父親は,毎朝6時には起きて,仕事に出かけていた。職場までは,家から自転車と電車で40分。電車に乗っている時間は,25分だった。
そして毎日,父親は最寄の駅で,15分も始発電車を待つのである。そして,電車に乗り込んで,25分座って,本を読む。あるいは,寝る。
わけがわからない。
私は朝早く起きるのはいまだに苦手であるからか,どうして,15分も待つのか意味がわからなかった。それだったら,家で寝たらいいのに,と思った。10分しか変わらないじゃないか。始発電車を待つのに立っているわけだし。ずっと立ちっぱなしの仕事というわけでもないし。
ほかにもいろいろとわけのわからない逸話というか,価値観の相違というか,世代間ギャップはあるのだが,面白いというほどの話でもないので,開陳はしない。40近くになっても,あいかわらず,よくわからないままである。解き明かしたいともあまり思わない。
もっとも,始発電車を待っていたのは,精神衛生上の,ストレス・マネジメントという奴だったのかもしれないとは思う。でも,やっぱ意味がわからない。

アメリカ文学やアメリカ映画では,「父親」という存在がわりに大きくて,「ひげの剃り方を教える」などが時折象徴的な「父-息子」儀式として扱われたりする。
映画「マイライフ」では,がんを宣告された主人公がまだ生まれていない息子のために「ひげ剃り」のビデオを撮ったりする。たしか,「リーサルウェポン3」でも,黒人刑事のマータフが息子に教える場面があった。
なんの映画か忘れたが,離婚問題か何かがある夫婦の話で,夫が「じゃあ,息子のひげ剃りはだれが教えるんだ!」みたいな会話があったのも思い出す。

日本の文化では,どうなのだろう?
そんなことを教わったような気もするが,あんまり覚えていない。というか,ヒゲを剃る必要になったのは大学生以降だったので,すでに家を出ていたというのもあるかもしれない。

と,まあ,私にも息子がいるのだが,ああ,親子葛藤とかあるのかな,面倒だなあ,という気分になってくる。

そんなことを考えていたら,息子(3歳)が私の顔を描いてくれたので,記念で貼っておきます。ぶつぶつはヒゲだそうです。


描画アセスメント的にはどうなのでしょうか。

家族画の本,あまり生きているの,ないんですね。というか,描画の本は,バウム以外は瀕死?状態なのだろうか。

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