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2009年6月5日金曜日

脳手術後にアーティストとしての才能が目覚めた男性

 
脳手術後にアーティストとしての才能が目覚めた男性

というニュースをネットで見ました。

とても興味深い。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090604_brain_sugery_make_artist/


動脈瘤と脳の血管破裂で手術をした男性が、手術後、「絵の才能」が生まれたんだそうで。

うーむ。すごい。

ほんとかな。

うーむ。

ありそうな話、という感じもしないでもありません。

自閉症の子どもで、サヴァン症候群というのか、6歳くらいでえらく細密な絵を描いたりする子がいますね。杉山先生の事例だったか(うろ覚え・資料も見当たらず)、ある日のある時間の絵を何枚にもわたって描き続けた事例がありますが(確か、大きくなったら、絵がうまくなくなっていたりするという話も聞いたけれど……何もかもうろ覚え)、そんなことを連想します。


病気になること、障害を持つことは、奪われることが多いですが、逆に得ることもあるんですね。
となると、俄然、神経心理学の本なんかを紐解きたくなります。
私としては、この界隈においては、もうヤマドリスト、山鳥主義者でありまして、山鳥重先生の最近の本:

知・情・意の神経心理学知・情・意の神経心理学
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はスリリングな本です。脳とは、心とは、ということが鮮やかに描かれている。

「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学 (ちくま新書)「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学 (ちくま新書)
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なんていう本も新書ですが、深い深い。

ヒトはなぜことばを使えるか―脳と心のふしぎ  講談社現代新書ヒトはなぜことばを使えるか―脳と心のふしぎ 講談社現代新書
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という本も拝読しましたが、面白かった。
ちょうどこのころ、私は山鳥先生と時折、ファックスで手紙のやりとりをしていたので、ご恵送いただいたのでした。山内、元気にやっております。

どれもしっかりと書かれた本でありますので、脳とこころに興味のある方はぜひ。

神経心理学や認知心理学や行動科学など、とっても興味深い。そもそも、心理学が面白い、という一面は、やはり、このあたりの学問的蓄積にある気がする。
とはいえ、脳なり、心なり、というだけでは、人間すべては語れませんので、これはこれでなかなか難しい。社会環境が人間を作る、というだけでもないですし。でも、神経心理学は臨床とも深くコミットしているので、有用な知見が生まれ、有用な書き手が輩出されているのだろう。実践のからみが、学問を推し進める力になるわけですね。ま、経済効果という側面もあるのでしょうけれど。

ともあれ、手術後……絵の才能開花というニュースには驚いた。他にもいろいろと同じような事例はあるかもしれない。手術というよりも、リハビリが有効だったのかもしれない。うーむ、どうなんでしょうね。

 

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