すっかりGW明けの呆然とした脳みその私です。
お元気でしょうか、皆さん。
ぶらぶらとGWボケを引きずって事務所に参りますと、なんと、2冊の本がポストに入っておりましたよ。どちらも著者謹呈でございます。ありがとうございます。
1冊めは、岩波書店さん刊行。岩波さんは、小型ダンボール箱みたいなもので送付していただけるのですが、なんともナイスな箱。紐解きますと(ヒモで結わいてあるのですが)、なんと、岩宮恵子先生の本でありました。
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私、本を読むとき、略歴とかまず読んじゃうのですが、こうありましたよ。
「目下の癒しは『海街diary』(吉田秋生)と『きのう何食べた?』(よしながふみ)……」
ま、この2冊をあげているだけで、もうタダモンじゃない度が高いわけですね。この2冊、私も愛読者でありまして、特に『きのう何食べた?』においては、この主人公の食い物に関する認識は、私をしてモデルにしているのではなかろうか、と妄想させるほどのものです。イチゴが最安値になると買ってきてジャムにする、という話があるんですが、自分のことを読まされているようでしたよ……。そろそろ時期的に198円/パックになるんですよ。
とまあ、話が枝葉に入ってしまいましたが、さっそく拝読いたしました。
ま、はっきり言いますとね、面白い。面白いに決まっています。
いま、一番書ける、発想が豊かな臨床心理家の一人が書くんですから、当然、これ、面白い。そもそも文章がお上手です。実は私、岩宮先生とは文通♪させていただいているのですが、サービス精神が高く、必ず、メールにおいて、16箇所くらい笑うところも盛り込まれています。こないだ夜中に読んでいて一人大爆笑でしたよ。そんな筆至ですから、当然、物語り上手。思春期特有のイガイガ感なんかもうまく描かれていて、なんか懐かしいような気分にすらなります。でも、やはり、今時分の子どもは大変だなあ、などと思ったり。さっさと大人になって本当によかった。
ともあれ、この本は、SCなんかで子どもと触れ合う機会のある方にとってはヒントが多いことでしょう。学校の先生なんかにもオススメします。
とはいえ、こういう本は、だれもが定期的に読んでおくといい、と私は思います。本書は、ある種の時代の巫女なり預言者なりが書いた本の1冊だと思います。つまり、ある見方によって、ある世相を見事に切り取っているということです。世代論は、10年スパンくらいで出来ていて、スペクトラム分布している感じがしますので、多分こういう本を別に思春期の子とかかわりのない大人が読んでも、「うむ、これは新入社員のAくんにソックリだね」などと思ったりするものです。そして、それは時代をうまく描いています。こういう読書は、うまく生きる糧になる感じがしています。
ともあれ、これは極上の臨床心理の本であると同時に、時代を映す鏡ですよ。ぜひお買いくだされ。
で、もう1冊は、独語訳者の赤坂桃子先生からいただいたものであります。
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ぬわんと、ショウペンハウエルですよ。
これもまた、ありがとうございます。
ショウペンハウエルといえば、「岩波青本」というイメージがあるのですが。
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これは当然、新訳。
実は学生時代、ショウペンハウエルだの、キルケだの、カントだの、デカルトだのを、一生懸命読んだのですが、いや、まったくその記憶は忘却の彼方にあります。これも読んだはずなんですが、、
で、新訳をさらさらと読み通しましたが、レイアウトもよくて、とっても読みやすい。これは金言集です。「断片」という形式が西欧にはありますが、もともとはそれで出来たものでしょうか。その断片から一文を「箴言化」して、その解説をしている、といった形にしているもので、「自分で考えること」、「著述と文体について」、そして「読書について」の考えがまとめられています。
赤坂先生は、フランクル関連の翻訳もされている方で、フランクルの評伝、
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なんて本も訳されています。
帯にある言葉、気に入りました。
「学者とは、本で読んだ知識をもっている人のことである。
しかし思想家、天才、世界に光をもたらす人物とは、世界という書物を直接読んだ人である。」
引用上手になりそうです。。。
ともあれ、これも岩波版よりもずっと読みやすい文章です。本来の哲学書はこういう文章なんじゃないの、というような疑念もふつふつとわきますが、まあ、いいでしょう。
未読の方、ぜひ読んでみてください。
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