遠見書房のメルマガ

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2010年6月18日金曜日

オルタネイティブ!

 
こないだ,とある席で,オルタネイティブ・スクールを運営する方と同席をした。
不登校の子どもたちが通う,そんなスペースを作っているらしい。
「子どもの心と学校臨床」(売れてます)などを作っていて,他にも子ども関係の本を作っていても,なかなかオルタネイティブ・スクールの先生にはお会いできない。
実は「動く」オルタネイティブ・スクールの先生は,初めてであった。

もっとも,本を作らないのには理由?があって,東京シューレさん,というこの分野のマーケットリーダーがいるからである。

オルタネイティブ・スクールを運営して,本まで出している。しかも,とてもいい本が多い。

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新しい産業を作っているなあ,と本当に思う。そういう意味では,遠見書房という会社は前時代もいいところだ。


閑話休題。

全国には不登校児童・生徒とされる子どもが12万人いる(!)らしい。
どのくらいの数が回復(という言い方がいいのか,一般的な進学・就職コースへの回帰)するのか,それもよくわからない。もし,「回復」しなかったら,その後はどうなるのだろう。「ひきこもり」になるのだろうか。

また,不登校児すべてがオルタネイティブ・スクールに行くわけではない。そこまで行くのは,ほんの一握りだろうと思う。多くは,教室以外の場所で,卒業を迎えているのではないかと思う。適応指導教室だの,いろいろとできたので,選択肢は多い。
私が中学生だったウン十年前は,不登校の子どもは中学すら卒業できなかった。それから考えれば,選択肢が多いという意味で幸福だろうと思う。

さて,その先生のお話をうかがっていると面白く,いろいろと経営問題的なところまで伺ってしまった。
行政からの補助もなく運営しているそうで,それはなかなか財政的に厳しかろうと思う。行政もナントカ手当てなんか適当にして,こういうところにお金が出ればいいのにな,とも思う。でも,それだと,オルタネイティブ・スクールのよさはなくなてしまうのかもしれない。金を出して,口を出すのは,為政者としては当然の行為である。

いろいろと考えていると,ふつうの社会に「適応」できなかった子どもたちはどこへ行くのだろう。適応は,面倒の少ない糊口のしのぎ方である。大学を出て,サラリーマンになるのが,気楽で無難な生き方である。それ以外の生き方には才能やコネがいる。それと,運。

新しい「糊口のしのぎ方」を彼らは見つけなくっちゃいけない。自分たちが暮らしやすい新しい世界を作るのは,本当に大変だと思う。

 

5 件のコメント:

お騒がせするT.Y.です さんのコメント...

 東京シューレが良い本を出されているから、あんまり出版する気になれない(と受け止めていいですか?)とおっしゃいますが、ここだけの話ですが、私は昔から東京シューレに良い印象を持っていません。
といっても、何か関わりがあってのことではなく、学校関係者を批判するつもりはないし、その必要もないかなと思うので書きませんけど…。
東京シューレの設立当時やその後、設立者らの新聞記事を読んだりする中で、焦点が少し違うなと感じることが多かったです。当時は登校拒否と言ってましたよね。

遠見書房主 さんのコメント...

どうもTYさん,いつもありがとうございます。

オルタネイティヴスクールを中心にすえた本は,ま,出すことはないだろうなあ,というくらいの意味です。

というのも,こういう本は,それなりに「色」がないと売れないような気がします。たとえていえば,朝日新聞社で出したら売れそうで,産経新聞社が出したら売れなさそうな,という感じ。
もちろん,版元についた政治的な「色」です。そういう色がなければ,この手の本は売れないんじゃないかと思います。出版社に読者がついてくるということは往々してあるので。

じゃ,その「色」がほしいかというと,かなり微妙です。「弱者の味方」ではありたいですが,政治運動には興味はありませんし。

ともあれ,東京シューレさんは,「ビジネス」として成立させているのだから,立派なものだと思います。

とはいえ,学校不要論に私は与してはいませんが。

匿名 さんのコメント...

もしもこういう事件が実際にあったらどう思い、どう考え、どう感じるか?


アメリカのフリースクールで銃乱射 5人死亡、11人負傷

[USO]1日2時9分

 カリフォルニア州南部にあるフリースクールで、現地時間の31日、9時ごろ、少年が銃を乱射し5人を殺害し、11人に重軽傷を負わせた。
複数の現地メディアは、犯人の少年は黒いトレンチコートのような服を着ていたと報道。地元警察によると、少年は銃を乱射後に、玄関で銃で自分の頭部を打ち抜き自殺、フリースクールの生徒はすでに避難しており、現場では救急隊員らが対応に当たっている。



私のブログ「アメリカ銃事件報告の書」のカテゴリー「USOニュース」の記事より一部抜粋 詳しくは(全文は)「アメリカ銃事件報告の書」にて

遠見書房主 さんのコメント...

匿名さま

コメント,ありがとうございます。

実際に事件があったわけではなく,それらしく書かれた架空のニュースをもってこられて,「こんな事件があったら,どうする?」と聞かれても,とても困ります。

匿名さまに,オルタネイティヴスクールに対する嫌悪がある,ということは想像できましたが,私に質問を投げかける,それ以外の意味はさっぱりわかりません。

公立学校であれ,私立学校であれ,オルタネイティヴスクールであれ,戸塚ヨットスクールのようなところであれ,だれかか銃を乱射し,なかの子どもと職員やスタッフが殺傷されたら,やりきれない思いになるに決まっています。

匿名さまにお伺いしたいのは,特別に,オルタネイティヴスクールが,こうした事件の標的になる率が高い事実がどこかにあるのでしょうか?





などと,切れ気味に書くと,

「プププ,ネタにマジギレ,カッコ悪い」

だとか,

「サスガ,ンパネエッス」

などと揶揄され,笑われることでしょうから,やめておきます。

じゃ,代わりに何を返しましょうか。匿名さまの内面に踏み込んだような発言をしたほうがいいでしょうか。ブログといえども,それなりに性格傾向が出る部分があったり,あるいは匿名さまの周辺環境が現れたりする部分があります。そのあたりを開陳してしまうこともできなくはありませんし,それなりに当たることもあります。
とはいえ,それが当たっていたとしても,当たっていなかったとしても,気に食わないことでございましょうから,かなりの確率で,匿名さまの怒りを買うことになります。

他にも怒りを買うような不寛容な発言をいろいろと考えましたが,匿名さまは匿名ですが,こちらは所属を明らかにしておりますから,正直,勝ち目はありません。アマゾンあたりに悪評を書かれたりしたら,目も当てられません。


そこで考えました。

なぜ,正直,さして読者が多いとは言えないこのブログに,心理学徒とは思えぬ匿名さまはコメントを寄せたのか? それを考えると,これは単に,私が編集者をやっているからでしょう。本を出したいだとか,作家になりたいだとか,そういうふうに思ってらっしゃるのかもしれません。

実際問題として,遠見書房では,フィクションは取り扱わないことにしています。また,私自身,10代のうちから友人・知人を亡くし,親の死に目にもあっているからでしょうか,ひとを殺すようなネタはさっぱり面白くありませんし,不快でさえあります。もちろん,そういうことを書くことで癒される匿名さまの心のあり方については,同情するところはありますが,死を書きたいのならば,ちゃんと死を取り扱うべきだと思います。余命いくばくもないのに,妙に力強く握り返してくる老人の手の平の感触とか,想像できますか? それを想像してください。要するに,「他の会社を当たってください」ということです。

とはいえ,これだけじゃ,面白くありません。私は今でこそ編集者をしておりますが,職業人としてのキャリアのスタートは,新聞記者でした。

その視点から,匿名さまの記事を読むと,何ともピントの外れた文章ばかりです。
新聞記事は,基本的に,130字,つまり,10行ほどを一つの段落として考えます。そして,記事の場合は,後ろを削ってもいいように,文章が成立しています。基本的に,最初の10行さえ読めば(あるいは,大きな記事ですと,見出しと,リード文さえ読めば),どんなことが起きたのかがわかるようになっているわけです。
たとえば,せっかく記者が記事を入れたとしても,ほかに大事件が起きてしまえば,大幅な削除をする必要があるわけです。その削除は,記者ではなく,デスクが行いますから,記者としては,削られてもいいように,最初の10行にすべてをぶち込むわけです。
そして,それ以降は,その10行の解説になっていることが多いです。


まず,見出し,ですが,

アメリカのフリースクールで銃乱射 5人死亡、11人負傷

とありますが,「犯人死亡(もしくは自殺)」といった文面を載せるべきでしょう。
見出しとして失敗です。
知りたいのは何でしょうか? 伝えたいのは何でしょうか?
フリースクール,なんてところに,興味ありますか? 
それから,「アメリカ」なんて書きません。長いですから。「米/米国」です。

私がデスクなら叱り飛ばしているところです。

記事に行きましょう。

> カリフォルニア州南部にあるフリースクールで、現地時間の31日、9時ごろ、少年が銃を乱射し5人を殺害し、11人に重軽傷を負わせた。
>複数の現地メディアは、犯人の少年は黒いトレンチコートのような服を着ていたと報道。地元警察によると、少年は銃を乱射後に、玄関で銃で自分の頭部を打ち抜き自殺、フリースクールの生徒はすでに避難しており、現場では救急隊員らが対応に当たっている。



まず第一に,「カリフォルニア州南部」です。地名,書きましょう。地名を。南部って,カルフォルニア州はでかいですよ。もうちょっと地図くらい読めって感じもします。
カルフォルニア州は,日本よりも大きいですからね。

それから,フリースクールという表記ですが,定義がいろいろとありますからね。アメリカでは,「無料の公立小学校」をしめすことがあるらしいですし。

ここは,デスクとしては,「私立学校」とわかりやすくしたいところです。いや,「中学校」とか,「高校」とか,年齢がわかるようなタームを入れたいところですね。フリースクールなり,とある方針によって立てられた私塾なり,ということが言いたいのならば,記事の後半に解説を入れておけばいいのではないかと思います。ま,それが今回の事件の背景にあると思うのでしたらね。

それから,死亡した,というソースがどこからもたらされたソースなのか,ということを入れる必要があります。

「複数の現地メディア」なんてものを,記事の冒頭のソースにしてしまう,ニュース社は,はっきり言って,2流もいいところです。記事は足で稼げっていうでしょう。
まずくるのは,

1)現地警察
2)学校の運営者(校長とかね)
3)生徒
4)地元民(PTAとか,近所のひととか)

でしょう。特に,1)と2)はこうした事件だと談話を発表しますから,そこがソースになるはずです。
とはいえ,この記事は事件直後,という感じです。記事が出たのが日本時間で夜の2時だとしたら,カルフォルニアは朝の9時(サマータイムなら10時)ですから,ものすごい速報ですよね。これはもうちょっと時差とか考えろ,と言いたいところです。
ま,起きた直後に記事にした,というのでしたら,ここまで被害者の数や自殺した犯人などがわかるというのはおかしい。警察が犯人の発表をするタイミングも早すぎです(自殺の断定も同様です)。
警察によって追い詰められたり,包囲されたりならわかるかもしれませんが,現場はかなり壮絶な状況になっていますから,だれが犯人なのか,よくわからないのではないでしょうか。また,死傷者の数も,事件発生直後としては,正確すぎです。

ともあれ,警察の発表では,死者人数,重軽傷者人数,そして被疑者死亡ということが起きたのだ,というふうに入れるべきでありましょう。それから,生徒と職員合わせて亡くなったのか,職員だけなのか,生徒だけなのか,男女比は,年齢は,そのあたりも知りたいところです。

>複数の現地メディアは、犯人の少年は黒いトレンチコートのような服を着ていたと報道。

こんな細かい情報w
ふつうなら,どういう銃器を持っていたか,だとか,少年の年齢だとか,学校の生徒だったのかとか,そんな情報を入れるんじゃないですかね。
それから,学校の規模や校舎や間取りや侵入経路だとか,ほかにも知りたいことはいくらでもあります。

さあ,頑張ってください。

匿名 さんのコメント...

アホな、コメントかく乱が少なすぎて、詳しく書けねーんんだよ、それに私はこのコメント欄に、私が書いた「フリースクール銃乱射事件」の記事を全文載せたいんだけど、後半の方は、アクセス規制食らうしダメなんだよ、それに読んだら、子どもがショックを受けるだろうと思い、配慮した上で一部だけしか載せてないんだ。