今年の心理臨床学会は,名古屋だそうである。
名古屋。
Nagoya !
私にとって名古屋といえば,その昔は,タモリの話す名古屋ネタであり,清水義範の名古屋小説であった。そう,それと,クイズダービーに出ていた竹下景子である。クイズダービーを見ていたころは,まだ私は幼かったが,竹下景子が「お嫁さんにしたい芸能人」第一位であることは知っており,ああ,このひとが青年たちがお嫁さんにしたいと願ってやまない女王なのか……と思ったものである。幼い私には,高度すぎて,よくわからなかった。
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そういえば,その後,「名古屋嫁入り物語」 などというドラマがあったりし,植木等と山田昌の尾張人夫婦の怪演なども興味深く観た記憶がミョーに残っている。私は高校生くらいであった。たまたま母親とそれを見ていて,そのド派手な結婚式(が,ドラマの最後にはある)があったりし,それを観るたびに,うちの母親は,「お前は,頼むから,名古屋からお嫁さんをもらわないでくれよ」などと言っていた。
名古屋では「娘三人いれば家が傾く」というくらい結婚式にお金を使うらしい。
その十数年後,まさか私が名古屋のひとと一緒になるだろうなどとは思ってもいなかったが,それを母が知ったとき,「結婚式とかどうすんの」と慌てふためいたのはいい思い出である。結局のところ,Jターン?名古屋組だった同居人の実家は,「名古屋嫁入り物語」とは違い,いたって簡素な式をあげるだけで済んだ。ラッキーというか,残念というべきか。
というわけで,名古屋は親近感があるのであるが,時代は名古屋にあるのではなかろうか,とちょっくら思っていたりする。
別に,トヨタ万歳的な話がしたいのではなく,臨床心理学ワールドの話である。つまりは,臨床心理学界隈において名古屋がきているのではないか,と。
臨床心理学の世界は,西高東低の傾向がいまだに強いが,出版点数としては,東西の均衡に近づいていると思う。カリスマはいなくなり,小カリスマが乱立している時代である。
河合隼雄先生がおられた時代の京都大学は,間違いなく日本の臨床心理学の中心地であったろう。が,河合先生が一線を退くと,島宇宙化(群雄割拠?)が進行しだし,あちこちに核が生まれた。
個人的に興味深かったのは,九州大学である。90年の終わりくらいから九州大学の先生方は,興味深い仕事をされるようになった。世代が変わり,一気に花開いたのかもしれない。成瀬先生,前田先生,村山先生の蒔いた種が実を結んだということなのかもしれない。この3人のバランスのよさが,九州大学の臨床に生きていると思う。
で,そういうパワーをいま名古屋に感じる。名古屋にはいろいろと伝説がある。名古屋は大きな村だとか,ひとはみな地下道を歩いているとか,シビアな名古屋人を相手にする名古屋支店に転勤することは出世コースであるとか,喫茶店でモーニングを食べると大量にパンがついてくるとか,ビジネスホテルが5000円で目一杯朝食がつくとか,いろいろである。味噌煮込みウドンだとか,あんかけスパだとか,小倉トーストだとか,味噌カツだとか,独特の食文化もある。
全国が均質化しているなか,そのオリジナリティな文化をもつ名古屋の心理臨床世界が一段と伸びようとしているのではないか。
そんなことをつれづれに思うのである。
実は,遠見書房の本で,今年から来年にかけて,名古屋周辺の方の心理・医師の本が立て続けに出る。
ま,「名古屋がきている!」理由といえば,そのくらいで,かなりミクロな理由しかないのだが……。
でも,なんかパワーを感じるのである!!
エビデンス?,うんなもの,ねえ!
……すいません。
まあ,いい意味でまとまっているな,と思っているわけです。 興味深い研究者が集まってきているように思います。
当社では,既刊本でありますが,
野村先生(名古屋市立大学)
永田先生(名古屋大学)
の本が出ております。
どうか,名古屋パワーをご覧ください。
2 件のコメント:
そういえば山中先生も名古屋のご出身でいらっしゃいましたよね。名古屋、来ているのかもしれませんね。
コメント,ありがとうございます。
そうですね,山中先生もおられますね。成田先生も。
現実に,景気がいいのかもしれません。ほかに比べたら,という程度ですが,街に活気があるような気がします。
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