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2009年7月31日金曜日

【子どもの心】来週できます!【学校臨床】

 
学校臨床の専門誌,『子どもの心と学校臨床』の印刷見本(「刷り出し」というもの,製本前のものです)が届きました。

本誌の表紙は,特色印刷(2色ずり)なのですが,この場合は,刷り上がりまで,本当の色がわからないという。。。

いや,わかるんですけれどね。でも,私,色かけ,あまりよくわからないところもあり。もちろん,The 無難な色を選んだのですが……。センスないのに自信あり!

で,思ったよりも

















地味……




どちて……
もう少し明るい青がきたはずなのだが。

うーむ。

スキャニングしたのですが,より地味になっています。。


落ち着きは…………ある…………とするか…………



プロト版よりも,表紙デザインをいじりました。
この紺色ですが,毎号変わります。緑とか,小豆色とか,そういう系の色で。。
微調整もいろいろと必要のようです……。4色のほうが面倒ないのかなorz
ガンバレ,オレ。


ともあれ,予約も数多くいただいております。
ありがとうございます。

ぜひ,申し込まれていない方も,どうか,よろしくお願いします。(⇒紹介HPへ)


いちおう,自己弁護的にいいますと,なかのレイアウトは読みやすいですよ。
紙もいろいろと選びました。
ぐりぐりと読み倒していただけるとありがたいです。

なお,来週末くらいには,書店さんに並びだすはずです。ご注文いただいている冊数からして,平積みにしてくださる書店さんも,多くあるようです。ありがとうございます。

また,来週末(8/8-8/9)に行われます学校臨床心理士全国大会(於:東京)におきまして,新元社(創元社)さんに,本誌を預かっていただき,展示販売していただけるようお願いいたしました。
ぜひ,現地に行かれます皆様は,本誌を手にとっていただきたくお願いする所存です。
創元社さんの本とともに,1冊,お土産代わりに買ってくださいますよう,お願いいたします。

2009年7月29日水曜日

開業したいという若い心理のひとと酒を飲んだ

 
ま、とある酒宴の席と思ってください。たまたま近くに座った心理の若い──とはいえ、30歳そこそこか──方と、起業について話が及んだ。
その方は、ありがたくも、遠見書房のことを知ってくれており、私のこともご存知のようで、「開業したいんですよね、私も」とおっしゃった。
「起業する秘訣は何でしょうか?」
と聞かれたが、まだまだ3冊しか本を出していないような、創業1年にも満たない者に聞いても仕方がないと思い、結果的に(ほかの人が入ってきたとかいろいろな要因などがあり)、はぐらかしてしまった。
すいません。

治療者と開業の問題は、医師に限らず、医療分野の専門職の方は考えられることだろう。
臨床心理の方の開業も増えているらしい。
臨床心理士会の幹部クラスの方々と話していても、けっこう、話題になる。特に、若い心理職の開業が増えているのだそうだ。仕事がなく、やむをえず、という面もあるという。SCなどの仕事を軸にしているものの、それだけでは週の曜日が仕事で埋まらないのでオフィスを構えようとしているんだそうな。

酒宴の席の方は、そこまでは若くはない。開業セラピストの雄 吉川悟先生は、いろいろな状況もあったのだが、「所長」になったのは、私の記憶によれば二十代の後半とかであり、それを考えると、30歳+αであれば、無茶という感じではない。もちろん、やむをえず、という感じではなく、自分の師匠たちが開業しているので、私も自然に開業したいと思うようになった、ということらしいし。

でもまあ、話はかなり中途なところで終わってしまったのだが、帰りの電車のなかでいろいろと考えてみた。

起業すること自体はとても簡単である。心理開業だったら個人事業主で十分であろうから、青色申告をするならば税務署に申し込めば、白色申告でいいのならば申し込まなくても、それで済む。できれば、個人事業主届というものを出しておいたほうがいい。というのも、銀行口座などを作る必要があり、屋号で口座を作る時に、届けのコピーがあると話が早いからである。ともあれ、この口座と届けがあれば、すぐにでも起業は可能だ。2時間もあればできてしまう。判子を屋号にしたいのならば、社判的なものを作る必要があるが、柘植か何かの、安い材料であれば、1万円もかからずできるであろう。

ま、でも、継続は大変だと思う。3年やれれば──他に競合他社が現れれば別だが──その後も続きそうだが、実際問題として3年しのぐのは大変だろうと思う。

第1に,客筋を掴む必要があるだろう。これはコネがいる。あちこちで広告を出したり、HPを充実させたり、本などで名前を出したりしなければ、不意のお客などが開業心理のところにこないように思う。マス媒体への広告は専門性の高い媒体がない以上(クライエントが読む雑誌なんてないし)、対費用効果は低いだろう。現代においてはHP的なものは必要だろうが、それがあったからといってお客が増えるわけではない。電話番号があるからと言ってお客が増えるわけではないのと同じだ。となると、結局は、コネだ。お客を紹介してもらうしかない。
SCなどの稼ぎがあろうと、やはり、賃料や光熱費だというような経費は稼ぎたいであろうから、コネを充実させる必要がある。

ま、このあたりは、それなりに皆さん切実に考えておられるだろうが、実際に開業した後、今まで他の関係性で付き合ってきた人たちが同じように付き合ってくれるとは限らないことをあらかじめ考えに入れておいたほうがガッカリしない。

第2に、けっこう大事なのが、事務能力である。
個人事業主にしろ、法人にしろ、帳簿というものが必要になる。帳簿さえつければ、ある意味でとても「おいしい」思いも味わえる。要するに、「経費で落とす」という奴ですね。でも、これは帳簿をつけないと出来ない。帳簿をつければ、たとえば今までは私費で行っていた学会や勉強会も経費にできる。もちろん、自分が払っているのには変わりないのだが、税金(所得が減るので,かかる税金が減る)がその分減り、そこは得である。
とはいえ、帳簿をつけるというのは、困難ではないが、面倒な作業である。申告の前(毎年2月~3月)にちょいちょいとやればいいや、という人もあるが、毎月か、2カ月に一度か、それなりに頻繁にやったほうがいいと思う。というのも、赤字が出た場合に、対処がしやすいからである。オフィスが自宅兼用で賃料などが不要であり、固定費がかからない場合ならばどんぶり勘定でもOKだが、賃貸で借りている場合は細かく把握しておいた方がいいように思う。耐え切れぬような赤字が続くようならば、賃貸契約を解除するなど経営を立て直した方がいいだろう。
とにかく、帳簿はつけたほうがいい。PCでやるのだから、面倒ではあるが、大変ではない。
この手の事務仕事を人に任せるということもあるだろう。もちろん、できること、できないことがあるが、数年は自分でいろいろとやってみた方がいいと思う。その方が経営的なスキルがあがるからだ。

とかいうと、私がとても事務能力のある人間かと思われるかもしれないが、そんなことはないのでありますが、慣れますね、慣れます。オジサンでもなんにでもなれるんだ,とポエムのようなことを思います。


それと、もう一つ必要だなあ、と日々思うのが、現代では事務能力とほぼ同義語なのかもしれませんが、PCの能力であります。情報収集能力ともいいましょうか。あるいは、あちこちのソフトを統合する能力といいましょうか。

わかりにくいかもしれないが、たとえば、心理面接オフィスだと、1)顧客管理用の電子カルテのようなもの、2)領収書などの発行、3)帳簿、4)スケジュール管理帳──などなどが必要になる。これらを一つのソフトでやるのはなかなか大変だが(アクセスやファイルメーカーなどを使うとできそう。ただ、帳簿は同じシステムではなく、別で動くシステムにしたほうがいいらしい。ファイルが壊れると怖いから)、いくつかのソフトを使えば、さほど難しくはない。
フリーソフトも充実しているから、そういうものを使えば経費削減にもなる。
実際、PCに強くなくても、調べられる能力があれば、「へえ、こういう仕事をこのソフトがしてくれるのか」ということがわかる。無駄な手作業をなんでまたやっていたのだ,とウツになることもあるが,ソフトを使いこなせると,自分が軍師にでもなったような気分になれる。


4つめに大事なのが──と考えていたのだが、これがなかなかまとまらない。という話もあるし、愛嬌なんていうわけのわからない要素も大事そうだし(松下幸之助のパクリです)、根性勇気努力という少年ジャンプが好きそうなテーマも大事そうだ。体力というのはこれは大事であるが、オチである3つめにするのも、気が引ける。酒が飲めるというのは、これは大事なことではあるが、別に飲めなくても無問題だ。専門的なスキルなんかは大前提だし、向学心好奇心というのもあったほうがいいけれど,これも大前提だろう。開業者は,(政治信条という意味ではないが)コンサバよりもラディカルなほうが向いているとも思う。いろいろと考えてしまうのだが、結局やはり思うのが、コネである。
1と一緒じゃん、なのだが、やはり、コネ。人は人に支えられて生きているんだなあ。ここのところ、としみじみと感じております。コネは大事超大事
 

ま、開業ですが、日銭の入る商売ですから、心理開業自体はとても経営的には楽じゃないかな、と思います。売掛金の回収に頭を痛めるところですから。しかも、仕入れや製造などの資本投下は不要なわけで(高等教育がそれに当たるのかも)、純粋に固定費のみがのしかかるわけです。もちろん,1時間につき幾らという売上げになり,対人サービスですので,これが3倍にも4倍にもなることはまずありませんが,固定費のみに気をつければ,開業専業でなければ分は悪くないかな,と思いますが,コネがなければどうにもなりませんし,不安定さは残念ながら否めません。
共同オフィスにしたり、自宅兼用にしたりと、売り上げメドがつかないうちは、固定費をいかに圧縮するか、ということが開業における経営戦略のポイントではないかと思います。とはいえ、家賃4万のアパートにある安いオフィスにお客さんがくるか、というと、これはまた難しい。
競合他社がきたら……というと、また難しいですね。コネだけでも商売が続かないのならば,専門性をウリにするしかないでしょうね、××療法だとか、××障害に強いとか……。

起業関係の本は,立ち読みで十分です。「覚悟があるならヤレ」としか書いてありません。あるいはネットの検索でも。この手の本は,さほど重要なことは書いておりません。ただ知らないとバカを見ることもありますので,何冊か立ち読みしたり,ネットを何日も検索し続けたり,ということが必要でしょう。
ただ,申告時期が先でも,税務申告の手引きのような本を読んでおけばよかった,といまは思います。法人化や個人開業届の出し方についての具体的な情報もけっこう載っていますので。

フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック[最新税制対応版] (お金の実務シリーズ)フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック[最新税制対応版] (お金の実務シリーズ)
高橋 敏則

ダイヤモンド社 2008-12-05
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これはよかったでしたよ。
 

2009年7月27日月曜日

本は本を呼ぶ

 
敬愛する大学教授というか,カウンセラーというか,公私にわたり飲み歩く機会の多い某先生より,「サイモン・シン,おもろいよ,読め」と言われたのは,去年の夏のことである。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
Simon Singh

新潮社 2006-05
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「そうっすか,今度読みます」と返事がいいのが,編集者の習いでありますが,昨年の夏くらいからいろいろ会社起業に向けて動いておりましたので,なかなか読む機会に恵まれず。
しかも,数学じゃないですか。数学ですよ,数学
こちとら,数学さえできていれば,人生大幅に変わったのに(きっとそうだ,yes),というような数学ルサンチマンがあるような人間でありますので,本屋でサイモン・シンを見るたびに,うーむうーむと唸っていたのでありますが,

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)暗号解読〈上〉 (新潮文庫)
Simon Singh

新潮社 2007-06
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暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)
Simon Singh

新潮社 2007-06
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上記2冊を,フェルマーの定理と合わせて,一気(というほどでもないけれど),購入。

これがとても面白く
いい本です,これは。
英米系のサイエンスライターというのは,伝統があるせいか,とても優秀です。こういうの,ホントにはずれが少ない。ま,翻訳されるという時点で取捨されているわけで,質が高いのは当然なのですが,それにしてもとても面白い本が多い。ライターたちは高等教育は受けていますが,学者先生ではないところもまたポイントのような気がします。サイエンスライティングは,日本ではあまり広まっていない分野ですが,瀬名秀明さんなんて,こういうのを狙っているんですかねえ。

なんていう話を,友人の信頼できる読書家K氏にしたら,この本も,面白いぜ,と言われ,

人類が消えた世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)人類が消えた世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
鬼澤 忍

早川書房 2009-07-05
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これも,サイエンスライターによる本。アラン・ワイズマンについて,調べてみたところ,下記の本に興味を持ち,

奇跡のエコ集落 ガビオタス奇跡のエコ集落 ガビオタス
高里ひろ

早川書房 2008-12-18
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速攻で購入,かつ読了。
これは,コロンビアのサバンナ地帯にある,自給自足をめざすコミュニティの話。本家の『ユートピア』(トマス・モアですな)だの,井上ひさしの『吉里吉里人』だとか,ユートピア物という物語り群があり,私はけっこう好きなんですが,これは,本物のトピアを作ろうとしている人たちの物語(ユートピアの「ユー」は否定の意味があるらしく,ユートピアは「どこにでもない場所」,ゆえに「トピア」)。これも面白いです。

ふと,思い出したのが,

沢田マンション物語沢田マンション物語

情報センター出版局 2002-08
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これ,文庫化キボンヌですよ。
これも,ユートピアもの,というか,ユートピア・コミュニティの実録。

というわけで,本は本を呼びます。

 

2009年7月23日木曜日

【校了】子どもの心と学校臨床【印刷】

 
とうとう……印刷に入りました。いやあ,ほんと,皆様,ありがとうございました。



実は,最後の最後で大ミスなどもありましたが(まだあるかもしれません),ともあれ,終わった,という感じで,ああ,ビアーでも飲みたい,という感じで。

実に,面白い内容です。
そして,広告も各社の皆様にご出稿いただきました。

岩崎学術出版社様
金子書房様
誠信書房様
創元社様
日本評論社様
金剛出版様

ありがとうございます。

購読予約も徐々にではありますが,あちこちからいただいており(もうちょっとあると雑誌経営的にありがたいのですが,ま,でもこれからでしょう),出来予定は8月4日になりましたので,ご予約いただいた方には,同日の数日に届くものと思われます。
本屋さんには,+1週間後……って,思いっきり,お盆のころですが,そのころに並ぶものと思われます。田舎に里帰りでもされた折に,ぜひ,近所の書店さん(とはいえ,かなり,大きいところじゃないと遠見書房の本は置いておりませんが……)にでも寄ってみてください。

ニッパチ(2月と8月)は,商売にはならない,ということがいわれていて,実際,売上げも落ちるんですけれども,ま,こういう時期に出すのも,これもなかなか愉しいことでありましょう。

もし,書店さんで並んでいるのを見たら,ぜひ,ぱらぱらとめくって(そして出来れば,お買い上げ)くださいますようお願いいたします。平に。

ぜひ,よろしくお願いします。
  

2009年7月16日木曜日

津川アセスメント本はすこぶるいい本です

 
過日。津川律子先生からご著書をご恵送いただいた。

精神科臨床における心理アセスメント入門精神科臨床における心理アセスメント入門
津川 律子

金剛出版 2009-06-19
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である。

心理アセスメントの本として、実に良い本である。私は本をいただくとサクサクと読むのでありますが、やはり読むのは一度であります。しかし、この本の原稿はとてもじっくりと読んでいる。たぶん3度は読んでいる。なので、この「良い本である」というのは、かなり確信を持っていえるわけです。
というのも、この本、「臨床心理学」誌で連載をしていたもので、当時、私は担当であり、入ってくる原稿をすべて読んでいたので3度読むのも当然なのであるが(原稿をいただいたときと、原稿整理のときと、校正時と3回読んでいた。もちろん読む深度は違うが)、いつもいつも、「おもろいなあ」と思っていたものである。基本的,あらゆる患者さんは「可哀想」なのであるから、それを扱う臨床論文に対し、「おもろいなあ」と書いてはいけないのだが、とても面白かった。興味深いというか、「へええ」と驚愕し、「ほほう」と深く首肯したのである。面白いと言っても,げらげら笑えるところはない。
ともあれ,伝説の連載が終焉し、早くも本になった。それがこの本である。「精神科臨床」と銘打ってあるが、これは広く臨床心理援助を行っている皆さんに読んでいただきたい本である。精神科医の方でも、役に立つ情報が多かろうと思う。DSM診断だけではなく、心理学的な見立てというものが必要な場合もあると思うのだが、一読に値するものと思う。
ぜひ、読んでください。保証つきです。

津川先生とは、

電話相談の考え方とその実践電話相談の考え方とその実践
村瀬 嘉代子 津川 律子

金剛出版 2005-09
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や、

初心者のための臨床心理学研究実践マニュアル初心者のための臨床心理学研究実践マニュアル
津川 律子

金剛出版 2004-07
売り上げランキング : 213936

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という本を作ったりした。
電話相談の本は、たぶん、電話相談業界(?)において、とても重要な提言のある本だと思う。村瀬先生の本でもあるので、ぜひ、読んでいただきたい。

研究実践マニュアルの本は、これは私が新入社員に必ず読むように厳命していた本である。論文を書くという作業がどうなっているのか、どう書き進めているのか、どう研究がされているのか、どういうふうに研究が評価されるのか、などなどのノウハウが詰まっている。そもそも、「臨床心理学」誌の投稿欄を管理していときに、くる論文の「頑張ってはいるのだろうけれど、絶対査読が通らない」という、なんというか、哀しい事態に何度も遭遇し、彼らを救う手立てとして、「研究論文を書くノウハウの質」をあげたいと考えていた時に、津川先生と遠藤先生のこのテーマのWSが開かれているのを知り、本にしないかと持ちかけたものであるのです。自分にとっても、とても勉強になった本です。

臨床心理士をめざす大学院生のための精神科実習ガイド臨床心理士をめざす大学院生のための精神科実習ガイド
津川 律子

誠信書房 2009-02
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心の専門家が出会う法律―臨床実践のために心の専門家が出会う法律―臨床実践のために
津川 律子 元永 拓郎

誠信書房 2005-10
売り上げランキング : 133178

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これら本も売れているようです。特に,「実習本」のほうは,これは,絶対に院生ならば買うべきものでしょう。やられたなあ,と思わせる本です。

さて、津川先生は、臨床心理士会の副会長である。お忙しい。連載時といい、あるいは、他の本を作っているときといい、とにかく、お忙しいかろうにもかかわらず,メールなどをマメにいただくのだが、このメールが朝の5時だとか、夜中の3時だとか、昼の12時だとか、わけのわからないタイムスタンプが押されてくる。同じ日二つメールをいただき、一通目が夜中の3時のスタンプで、二通目が朝の6時のスタンプであったこともあった。
「この人はいつ寝ているのだろう……」
などと思ってしまうのである。
津川先生をご存知の方に聞くと、皆やはりそう思っているらしい。3人くらいいるんじゃないかという説もあるらしい(嘘です)。
そして日常の臨床の話などを聞いていると、数年前の話だが、週に何回だったか,非常勤先の病院やらクリニックやら大学の相談室やらで働き、そのうえ当然、大学教員のなので授業を受け持ち、いくつかの学会の理事を務め、なんかとてもすごい状況なのであった。この人の前では「忙しい」なんて死んでも言えねえ,と思ったものである。そして、締め切りは絶対に守ってくれるとても素晴らしい先生でありました。
超人ですね。はい。

心理臨床ができる人というのは、何を指してできるのかよくわからないところもある。治せる人がいいというかもしれないが、自閉症などの長いケアの必要なものは治るという観点で語れるものではないし、対費用効果やエビデンスだけでは語れない部分も多い。病院やクリニックや学校など置かれた環境によってもずいぶんと違う。
とはいえ、ある種の心理臨床の優秀さは、やはり経験値がものを言うのであろう。才能もあるし、努力も必要だが、数をこなすというのは、実に重要なスキルトレーニングである。ゆえに、臨床現場から離れてしまった人は、どうしても腕が鈍る。大学で臨床系を教えている方は、自分の腕を維持・向上させるために週に何日くらい臨床をされているものだろうか。

世辞抜きに、臨床能力高そうな臨床家ランキングなどがあったら、私は津川先生を相当上位に推すでしょう。
なので,このアセスメント本は,間違いのない1冊です。

でも、早く寝てくださいね。
 

2009年7月13日月曜日

編集者になりたい!

  
時折、「出版社に入りたいという学生がいるんだが」と、大学教員をされている方からメールをもらうことがあります。身近に出版社に勤めているものが私くらいしかおられないからか、ご連絡をいただくのです。
それは、おたくの会社で募集をしていないかとか、コネはないか、といった類のものであったり、あるいは単に、出版社に入るためにはどうしたらいいのか、という質問だったりします。
大きく大別すると、
1)出版社に入るためには、どうしたらいいのか?
2)編集者に向いているタイプというのはあるのか?
といったところでしょうか。
ま,私が言うのもなんなのですが,ちょっと解説しておきましょう。

1)出版社に入るためには?
出版社社員募集というのは、ふつうの会社と同様、定期的に募集をしている会社もありますが、多くは不定期です。そもそも出版社というのは大きい就業人数のある企業ではありません。多くて千人。千人クラスの会社は数社でしょうか。とても有名な会社でも100人、否、20人もいないような会社だったりします。
定期的に募集をしている会社でも、年によっては違いますが、募集は数名程度。そもそも、定期的に募集をしている会社は、出版社のなかのほんの十数社じゃないかと思います。
大きい会社ですと、就職票みたいなものがきたりしますが、出版社の多くは、ネットか、朝日新聞で求人をかけているのではないかと思います。これはほぼ朝日新聞に限定されていて、ボーナス前後になると人が辞めるのでそのころの日曜日の求人欄にはずらずらと募集が出ていたりします。ネットでも朝日新聞のサイトから検索できるようです。
「どうやって出版社に入るのか」と聞かれることが多いのですが、こういうのをみて、履歴書を送る、としか言えません。以降は縁の世界。履歴書が返ってこず連絡もないようなこともありますし、すぐに面接をして決まるということもあるでしょう。

心理の本を作る場合は専攻が関係あるのか、と聞かれることもありますが、基本的には関係がない、と思います。同分野の出版社で心理学を専攻していた編集者も何人かおられますが、ほとんどは別分野の専攻です。ただ、専門書の場合ですと、卒論などにおいて論文作法や研究の心構えについて詳しく教わった経験のある編集者のほうが、飲み込みが早いような気がします。

さて、出版関係の会社と言っても、「出版社」「編集プロダクション(編プロ)」「印刷会社」などなどと分かれています。ときどき、「出版社に入れなかったので印刷にいきました」という方がおられますが、出版社と印刷業はやはり大きく違います。同じように、編プロと出版社も違います。編プロというのは下請けです。制作をメインにしています。要するに、割付やレイアウトですね。印刷業でも会社によっては割付やレイアウトに力を入れている会社もあります。
編集職という仕事はとても広い仕事で、筆者の方との打ち合わせやお付き合い(接待)、原稿トリなどからレイアウトや校正、企画、印刷屋さんとの打ち合わせや制作の進行管理などなど雑務の固まりのような仕事です。出版社の編集者といった場合、会社によっては接待と企画のみ、みたいな会社もありますし、小さいところですと、すべてを(時にはカバーデザインまで)やる場合もあります。編プロのスタッフも編集職ですが、筆者との打ち合わせはあまりないようで、レイアウトや校正がメインだったりするようです。
求人広告ですと、同じ「編集」ということで募集がされておりますが、会社によって仕事が異なるので、その辺りはしっかりと聞いておいたほうが無難かなと思います。
ただ、出版社は、中途採用をすることが多く、つまりは「経験者優遇」ということが多く、まずは潜り込め、と個人的には思います。小さい会社のほうがいろいろと学べるとは思いますが、大きい会社のほうが面白い仕事は多いかもしれません……とはいえ、つまらない仕事も多いかもしれませんが、それは運ですかね。

また、出版社には編集部との両輪である営業部という部門があります。商品管理や広告宣伝、書店さんへの販売促進活動などを行う部門です。営業は営業でとても面白い仕事です。

ともあれ、求人広告をみて、あちこちに履歴書を送ればよい、ということです。

2)編集者に向いているタイプというのはあるのか?
時に、「どんな人が向いていますか」と聞かれることがあります。ですが、どんな人でも向いています、と答えるしかありません。というのは、先ほど「縁」だと言いましたが、誠にその通りで、出版社はとても人数の少ない企業なので、多くの場合、だれかが抜けるからだれかを入れる、と言ったパターンで人を入れてゆきます。人員拡充ではなく、人材補充って奴ですね。たとえば、Aという部署に人を入れたい、といった目論みがハナからあり、募集をかける。その部署に聞くと、女性がいい、三十歳くらいがいい、などとニーズがあったりする。しかし、女性のみとも、三十歳までとも、法律違反らしく,求人広告に打てないので、結局、履歴書がきてから落とすことになる。要するに、求人者の能力とは別の次元で決まっていたりするわけです。
要するに「こういう人が向いている」とは一概には決まっていないのです。これはどんな企業でも同じでしょう。
明るい人がいいという場合もあれば、さほど明るくなくても仕事を丁寧にやれる人がほしい場合もある。人付き合いはしないポジションなので、その点はまったく気にしないといったこともあります。その次の募集のときには,真逆のひとがほしかったりします。これはまったくもって縁でしょう。

とはいえ、専門書編集者の場合、と限定するならば、まず、第一に
「本が好き」
というのが大事になります。
「本が好き」というのは、まあ、何ともアバウトな言い様ですが、出版社に入って編集者になりたいという大学生諸君であれば、一カ月で10冊くらいは読破してほしい。これは専門書出版社には限りませんが。最低ラインとして,年に120冊くらいは読むくらいの人材がほしい、と思います。あくまでも、これは最低レベルです。マンガを入れれば、その3倍くらいの冊数を読んでいてもいいかもしれません。内容は問いませんが、ラノベだけとか、実用書だけとか、そういうのはヤメにして、手当たり次第に読むことをオススメします。「本が好き」というのであれば、その倍くらい読んでいてもおかしくないですし、そのくらい好きじゃないと、仕事としては続かないかな、と思います。
編集者の仕事は、読むこと、書くこと(メールのやりとりは大きい仕事です)、考えること(企画など)、人に会うこと(接待)、などで成り立っています。
そのなかで比重が大きいのは「読むこと」です。読む能力がしっかりとついていれば、本の内容が専門的であれ、マニアックであれ、理解は進みますし、興味を持つようにもなります。

編集者は、人と会うことも仕事です。実際には配属されるポジションにもよるのですが、基本的には人と会うことを厭わない性格のほうが、編集者には向いているでしょう。というか、たいていの第三次的職業人は、人と会うことが好きな人のほうが楽に職業人生を送れるのではないかと思います。
これは簡単に言えば、①親友と呼べる同世代の友人が一人以上いる、②恋人と呼べる間柄の特定の他者がいる/いたことがある、という2点に絞れます。
「この人、どうかな……」と思う人は、たいてい①がいないことが多かったり、けっこうな適齢期になっても②がなかったり。不適応を起こすタイプには、女性には①が多く、男性には②が多いような気がしますが、病理学的にはどうでしょうか。ま,要するにふつうに青春しておけ,という話です。
①と②をクリアしていれば、まあ、ふつうにだれとでも付き合えるのではないかと思います。そうであれば、著者の先生たちとも一緒に仕事ができるでしょう。もちろん、合う合わないはあります。関係性が最悪になって、破綻する執筆者‐編集者関係ということもあります。

酒は飲めるほうがいいでしょうが、無理してまで飲む必要はありません。とはいえ、不思議と年をとると酒が強くなります。脳が慣れてきた(鈍感になった)せいだという説を聞いたことがありますが、これは本当でしょうか。。。
それと、酒を飲む時のエチケットというか、マナーというか、お酌をするとか、人に適度にすすめるとか、そういうのは大事でしょう。

そして、一番大事なのは、体力でしょうか。胆力というか。ま、どんな仕事もそうですが。




そうそう、教官によるコネってまずありませんので注意してください。ほとんどは中小企業で、社員数は多くないですからね、えらい先生が口利きをしてくれる、というのでもまず難しいかと思います。たまたまアルバイトの口が空いていた、という程度でしたら、あるかもしれませんが。それは本当にたまたまです。

編集者は、やりがいもありますし、周囲のスタッフも面白い人間が多いですし、好奇心も満たせますし、たいていはお給金も悪くない仕事です。というわけで、頑張ってみてください。

出版業界の浮沈は,若いひとたちの人材確保にかかっているのではないかと,最近,とある同業者と話していて思うようになりました。
 

2009年7月10日金曜日

子どもに薬を飲ませる

 
子どもが風邪を引いたので、お医者に行ったら、水薬をもらった。最初の一杯は、なんだかわからず飲んだのだが、口に合わなかったのか、次からは飲もうとはしない。でも、咳は続いているし、元気もないし、とお茶やジュースにまぜて飲ませようと試みるが、無残な結果に終わる。
となると最後の手段は、無理矢理に飲ませることだ。スポイトがある。こういうときのために買ったのを思い出す。それに水薬を吸い込ませ、子どもを抱き寄せる。子どもは悪い予感がしたのか早くも暴れる。喋れれば罵詈雑言を吐きそうなところだが、まだ言葉は出ず、泣くだけだ。
口をこじ開け、スポイトをねじ込む。ごめんなあ、などと言ってみるが、通じるわけもない。体を反転させたり、ねじってみたり、口をぎゅうっと結んでみたりし、子どもは反抗を続ける。これ飲まないとよくならないから、と言っても通じない。結局、力づくだ。唇さえ開いてしまえば、前歯しかまだないので、隙間はたっぷりとある。スポイトの先を刺し込み、水薬を入れる。敵もさるもの。全てを吐き出す。こちらはそれを手のひらで押さえる。それでも半分くらいはこぼれてしまう。
スポイトの薬が9割ほど入った時点で、私はこれ以上飲ませることを諦めた。子はギャン泣きをしている。なぜこんな目に合うのだと大泣きをしている。加害者から逃げようと、私のひざから逃げ出そうとし、ひざから降りた後、子は庇護を求めて私の膝小僧の間に顔を埋める。
泣き続ける小さな頭を撫でてやりながら、子どもは無力だとつくづく思う。

当然、連想するのは、虐待についてである。
いつか坂井聖二先生らの本を紹介しようと思っていたら、昨日お会いした先生から、坂井先生がこの3月に亡くなっていたとを伺い、吃驚した。雑誌に論文を書いていただくのでやりとりをしただけなのだが、とてもいい論文だったことを思い出す。

子ども虐待の臨床―医学的診断と対応子ども虐待の臨床―医学的診断と対応
坂井 聖二 奥山 真紀子 井上 登生

南山堂 2005-01
売り上げランキング : 642613

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とてもいい本でした。ご冥福をお祈りします。
 

2009年7月8日水曜日

ふくめし!

 
外食はしない──昼飯の話である。というのも、事務所の近所にこれといった店がないからであり、保育園の送り迎えなどもあるので昼休みなどという悠長なものを取れないという現実もあり、もちろん経済的な問題もなくはない。
とはいえ、毎日オリジン弁当だとか、カップ麺だとか、コンビニ飯だとかだと、本当につらくなるので、時折、ふらふらと昼飯を食べに行く。
こないだ、事務所の近所に社会福祉法人のやっているカフェを見つけたので入ってみた。ランチが550円である。タマゴのスープと豆ご飯と、春巻きやサラダ、香の物、箸休め的なものがワンセットで、550円。もちろん、温かい。出来立て……という感じではなかったが、ホカ弁などよりも温かく、人が作った感じがする。

味は、といえば、これで550円というのは何の問題もないな、というか、安いね、これは、という味である。無茶苦茶美味い! というわけではないが(たぶん、春巻きなどは冷凍モノであろう)、750円くらいはとってもいいように感じる。額と味の相関であるCP(コストパフォーマンス)的にはとても宜しい。守銭奴になりがちな月末でも安心して食べられる。
コーヒーをつけると+120円とかなのであるが、コーヒーを飲むほどゆっくりしてられず、パクパクと食べて、席を立った。

550円というと、ホカ弁的値段である。ホカ弁の豪勢(?)なやつが、499円とかなので、それとほぼ同じ。しかも、作業所にお金が落ちるのだから「貢献した」というような感じもなくはない。作業所系の食堂にときどき足をを運ぶのだが、どうせ金を払うのならば、CPだけではなく、ボランタリーな気分も満たしたいのである。偽善だろうか。偽善で十分じゃないかと思うけれど。

実は、こういう作業所系の食堂ガイド本を考えてみたことがある。だれかお好きな方、いないだろうか。この手の「食堂」を「福祉レストラン」、いやもっと今風(?)に、「ふくめし」とでも呼び、「多摩ふくめしガイド」なんていうのを考えたのである。「きょうのランチ、どう、ふくめしで」なんて、OLさんあたりが言ってくれると嬉しい。

この手の「ふくめしどころ」で、絶品だったのが、調布にあるクッキングハウスである。


ランチは確か1,000円とちょっとお高いが、それでも素材は厳選されたもので(昆布はべてるの家からの産直であった)、味はすこぶるよい。ふつうに調布あたりで昼飯を食べるセレクトとしても悪くない。ランチしかやっていないのが残念である。山本マスヒロとかきて、ぜひうなってほしい味である。

ちなみにクッキングハウスは本も出している。とても面白かった。


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松浦 幸子

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たぶん、「ふくめし」は材料にコストをかけられるのである。ゆえに、CPが高い。事務所の近辺にある550円ランチもCPがよいし、クッキングハウスもCPがよい。ふつうの食堂であのレベルの材料を使い、味を求めれば、2,000円くらいはとるだろう。飲食店の原材料費はたいてい3分の1だと言われているからだ。

なものだから、とある「ふくめしどころ」だと、おそば300円などという学食並みのお値段で、大きい駅の徒歩1分とかで営業していたりする。立ち食いでもないし、カフェテリア方式でもない。300円という味なのだが、それにしても安いは安い。カレーは400円とかであった。レトルトな味であった。ちょっと寂しい味であるが、値段的には安いであろう。
この店は何度か行ったのだが、結局、足を向けるのを止めてしまった。
理由は味ではない。ここは知的障害の方の作業所なのだが、お運びさんを彼らがやっている(中でもやっているのかもしれないけれど、わからない)。そこはいいのだが、その彼らをえらく叱責する店員がいたのである。剣呑な感じの店員で、客(つまり私)の前でぶうぶうと言うのである。私は、この店員は精神疾患を患っていて(たとえば人格障害だとかで)、そんであの知的障害の子に絡んでいるのだな、と勝手な物語を作ったのだが、職員のほうであることがわかって驚愕してしまった……。以来、足が向かない。どうりで地の利、CPもいいのに、店はがらがらなのだと思う。

ちなみにいうと、クッキングハウスは赤子を連れて行ったのだが、とても親切にしてくれた。ありがとうございます。当日、かの有名なSWである前田ケイ先生も食べておられた!(WSがあったらしい)


さて、「ふくめし」どうでしょうか。というわけで、ブログに「ふくめし」カテゴリを新たに設けさしていただきます。

「食べにきてくれ」という作業所の方がありましたら、ぜひ、ご連絡ください。もちろん、御代はお払いします。
 


2009年7月6日月曜日

巨星堕ちる

 
土居健郎先生,亡くなられたそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090706-00000004-mai-soci

89歳。
大往生という感じもいたしますが,まだまだお元気だっただけに,あと数冊はいけるのではないかと思っておりましたが。

親しい編集者から,どうも具合が悪いらしいという話を伺っておりましたが,残念です。


 

2009年7月1日水曜日

零細出版業者としてのお知らせ

 
きょうは,零細出版業者としてのお知らせです。

遠見書房では,取次として地方小出版流通センターさんと取引をしております。ここと取引をするだけで,全国津々浦々の書店さんまで本が流通されるのですから,なかなかに面白いシステムです。
年に3冊以上作る自信のある方は,地方小さんと取引ができますので,ぜひ,出版社やってみてください,って変なオススメですが。。。
大学出版会とか,各大学にあってしかるべきだと思うんですけれどね。採算的にもペイすると思います。

さて,その地方小さんが本を出しました。
取引をしている小社としては,これは紹介せねば。。。

あなたはこの本を知っていますか No.25―地方・小出版流通センター’08図書目録あなたはこの本を知っていますか No.25―地方・小出版流通センター’08図書目録
地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター 2009-06
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要するに,地方小さん扱いの出版社のカタログですね。2008年に発刊された本の一大カタログであります。
ヒマつぶしには,もってこいですね,図書目録というのは。

岩波文庫の80年岩波文庫の80年
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なんて,最高のトイレ本のような。

上の岩波さんのは品切れ品まで集めたものですから売っておりますが,たいていの図書目録は無料配布されています。パラパラと見ていくと楽しいものです。文庫系の目録なんて,読んだ本チェックしたりして。

図書目録マニアなんていう方もきっとおられるんでしょう。それを集めたら,図書目録目録だ。

とはいえ,ま,残念なことに,遠見書房では図書目録はまだないんですけれども。10冊くらいになったらつくんべえか。。


地方小さんの目録ですが,けっこう面白い出版物があったりします。取引している会社がマニアックですから,地方歴史書みたいな会社や地方のガイドなどなどもありますし,専門書的な出版社もいくつかあり,バラエティ豊かです。

とはいえ,残念なことに(2回目),遠見書房の本は2009年からの発刊なので,これがカタログに掲載されていなかったりするんですが。。。。